まごころ薬局より 薬のパッケージについて
みなさん、こんにちは。
今回は錠剤やカプセルが入っている薬のパッケージについてのお話です。
パッケージは色や大きさ、あるいは押し出す時の硬さまでお薬によって違いますよね。
なかには銀のアルミ包装でいかにも頑丈そうなパッケージもあります。
こういったパッケージの違いには何か理由があるのでしょうか。
薬の中には湿気や光に弱いものがあります。
薬の成分自体が弱い場合もありますし、あるいはOD錠(口腔内崩壊錠)のような剤型のために弱い場合もあります。
こういった薬の場合、パッケージから取り出してそのまま置いておくと外の環境を受けて、変色したり、溶けてしまったりということがあります。
ときには、薬の有効成分が減ってしまい、薬の効果が十分に得られないこともあるのです。
このようなことを防ぐ為、薬のパッケージには工夫が凝らされています。
PTP包装で例をあげると、薬を押し出すフィルム部分、こちらは一般的にポリ塩化ビニルやポリプロピレンが使われます。
防湿性を高める為には、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフロロエチレンなどの材料が使われます。
いっそう防湿性を高める為に、多種のフィルムを何層にも重ねることもあります。
ただ層が厚くなるとフィルムの押し出しが硬くなるという難点もあります。
また遮光性を確保するためには、PTP包装に特定の波長を吸収するような色で着色されたポリ塩化ビニルを挟むことがあります。
光に弱いビタミンB12製剤などは赤色のシートに包装されていることが多いのですが、これは遮光性を保つ為なのですね。
こうした工夫で薬の品質が保たれているので、特別な指示がない限りは、薬をシートから出さずに保管してくださいね。